コラム
時間をお金で買うという概念 2005_11_07

おろかな人間は自分の過去から学び、
賢者は歴史から学ぶという言葉があります。

先日非常に気さくで素敵な中小企業診断士の方に
お会いしました。

その方曰く、人生80年は時間にして70万時間だそうです。
そのうち、朝・昼・晩と食事をして睡眠をとるという生活必需時間は
30万時間です。

残りの40万時間は、4つのセクションに分けられ
・20歳までの人格形成・学習時間で10万時間
・20歳から60歳までの通常労働時間で10万時間
・20歳から60歳までの労働時間外で10万時間
・60歳から80歳までの定年後自由時間で10万時間

私は今まで、仕事が全てだと思って生きてきました。
1週間は、7日×24時間=168時間
睡眠・食事等の生活必要時間は1日10時間だとすれば
実質稼動時間は、7日×14時間=98時間です。

今まで、月曜日から金曜日まで1日14時間、土曜日は半日
仕事をしてきましたから
5日×14時間+7時間=77時間は拘束されます。
つまり、77時間/98時間=79%、ほぼ8割は仕事三昧です。

ですから、人生の8割は仕事をしなくてはいけない。
だから、仕事を楽しもうと思って、好きなことをしてきました。

ですが、考え方によっては仕事をしている期間は
人生の1/4に過ぎません。(たったの10万時間)

20歳までは、色々な人から学ぶフェーズ。
20歳から60歳までは、学んだ事から労働力・知力に変え、社会の成長を促す。
60歳を過ぎたら、有り余る経験を社会に還元するフェーズ。

予断ですが、60歳退職制をなくし、死ぬまで労働するという社会
にするだけで、年金制度が随分と軽くなりますね。

話は戻って、その少ない時間の中で、自分を存在を最大限アピール
し、自分が生きたという証(成果)を残さなければいけません。

ここからは、2つの大きな事を学ぶことが出来ました。
1つは、一人の人間の時間は、わずかであると言うこと。

人類史上から数えるときりが無いので、戦後60年という
中で、日本の人口は7000万人から1億2千万人まで急激に
増加しましたが、おおざっぱに毎年平均100万人の人間が
死亡しています。

そうすると、累計で100万人×60年=6000万人の人が
40万時間の経験をしてきたと言うことになります。

一人の人間の人生経験は、戦後だけでもたったの1/60000000です。

もう一つは、一人の人間の労働期間が短すぎるということです。
これだけ情報過多の時代に、人間の時間は24時間しかありません。
何が正しくて、何がそうでないかは、個人の少ない経験からは
まったく判断できません。(強引に判断する人もいますが)

どの世界でも、そうですが3年も同じことをすれば、それがだんだんと
楽しくなってきます。更に5年もその仕事に没頭すれば、
その道のスペシャリストになります。

以前のコラムでも書きましたが、一般的にコンサルティングは
経験知を売っています。経営コンサルであれば、経営に特化した
改革なり改善を、システムコンサルであれば、システムに特化した
ソリューションを経験に基づき売っています。

先ほど書いたように、どんな素人でも、5年も一生懸命没頭すれば
その道のスペシャリストにはなれます。逆に考えると5年も掛かります。

昨今のような時代の変化の激しい中で、5年という歳月は、非常に長いと
思います。5年かけて地道にやるか、その道のプロという職業の人間に
お金を払って短時間でやるのか。

つまり、時間をお金で買うということの価値の重みをどう評価するかです。
それとも、自社に無い能力の為、単純に機能をお金で買うのか。

平易な例で行くと、検索エンジンに掛かりやすいようにSEO対策するために
1600円の本を読んで、1年以上かけてやっとHPが検索の上位10位以内に
入るようにするのか、それとも20万円払って1週間で上位10位以内に入る
ようにするのか、経営者の感度が求められる時代にきたのではないでしょうか。

人間1日24時間。
個人の経験はたったの1/60000000。

時間をお金で買うことの大切さを、いつも考えながら
10万時間という限られた時間で、生きた証を残したいですね。